桃瀬かりんの徒然台詞

思うがままに、のんびりお話を書いてます。

A-file.3 白天使

あなたは、白い花がよく似合ってた。

 

花に囲まれるあなたは、とても綺麗だった。

 

いつだか忘れてしまったけれど

 

「白い花に囲まれて死にたいな、薔薇とか、チューリップとか」

 

「綺麗なお花のついた羽を持つ、天使になりたいの」

 

…って、こぼしてた。

 

「綺麗だもんね」って、私は笑って返したけれど、

 

それが、本当になってしまっただなんて。

 

 

…白い花に囲まれたあなたは、やっぱり綺麗だった。

 

まるで眠っているみたいで。

 

まるで御伽噺のお姫様みたいで。

 

今にも、「一緒に遊ぼう」って笑いかけてくれる気がして。

 

…なんで?どうして?

 

なんで、私の前から…?

 

わかんない。わかんないよ。

 

一緒の高校に行こうって、約束したのに。

 

なんで私だけ…

 

わかんない。わかんないけど、

 

きっと私がここから落ちたら、

 

また会えたら、

 

あなたは笑ってくれる?

 

…ううん。きっと、怒るよね。

 

あなたは、あなたが望んだ天使になれたかな。

 

 

あ、もう授業始まっちゃう行かないと。

 

心地いい風…珍しいな。

 

…あれ?

 

今、花の香りが…

 

気のせい、だよね…?

 

 

 

 

 

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※下記のイラストをコラージュしました。 

 

 

 

 

 

 

special thanks

とあるお茶 様 @toaru_ocha_03

(突然の申し出を受け入れてくださってありがとうございます。)

 

20191230 執筆・掲載