桃瀬かりんの徒然台詞

思うがままに、のんびりお話を書いてます。

A-file:連想

七夕の涙

この暑さどのくらい続くかな? 織姫は彦星に天の川の水をかけながら、無邪気に笑う。 「今年は会えたね!」 今年の七夕は晴れだ。来年はどうなるかわからない。来年も、その次も…。 彦星と無邪気に遊んでいた織姫は、空を見てつぶやく。 「もう、いかなきゃ…

私の記憶

(僕の正義の続きイメージです) ーーーーーーーーーー 「この暑さ、どのくらい続くかな?」 私は、彼の墓石に水をかけながら問いかける。 私は別の土地の大学に進学したから、君に頻繁に会うことはできない。 「今年は会えたね」 ようやく、お墓参りにくる…

僕の正義

あの子は、クラスで孤立していた。 何をしたわけでもない。ただ、周りの「好奇心」から対象になってしまった。 「助けてくれて、ありがとう。」 休み時間の屋上で、いつものようにあの子は笑った。 ずっとずっと耐えていたあの子。助けることが正義だと、僕…

A-file.5 消えない私と消さないあなた

どうして?? 私を殺してくれないの? 殺そうとするくせに、どうして? 「殺したいほど好き」って言ったのに。 結局誰もそんなこと… 「好き」なんて、マヤカシなんだ。 ……ねえ、どうせあなたもそうなんでしょ???あなただって、どうせ、そういうんでしょ?…

A-file.4 『喜んでもらえたかな?』

何日経ったんだろう。 なにも教えてくれないあなたが、何か隠してるんじゃないかって 不安になって声を荒げてしまった。 あれからずっと、ずっと連絡はなくて 自分が撒いた種なのに 苦しくて、もう消えてしまいたくって 今日、記念日だ カレンダーに大きく丸…

A-file.3 白天使

あなたは、白い花がよく似合ってた。 花に囲まれるあなたは、とても綺麗だった。 いつだか忘れてしまったけれど 「白い花に囲まれて死にたいな、薔薇とか、チューリップとか」 「綺麗なお花のついた羽を持つ、天使になりたいの」 …って、こぼしてた。 「綺麗…

A-file.2-1 管理対象

『……なぜこんなことを?』 彼は、ガラス越しに唇を動かした。 『キミなら、わかっていたはず。』 彼は認証機にカードキーを差し込み、開いた扉から私の元に近づく。 私は、その言葉を聞きながらあの日のことを思い出していた。 ---------- ーーーキミも大変…

A-file.1 『もうそれだけで私幸せだ』

柔らかな日差しが真っ白なカーテンの隙間から差し込み、 窓のそば横たわる彼女を暖かく包んでいる。 私の手を握る傷だらけの彼女の手はとてもか細く、 今にも折れてしまいそうだった。 幸せってなんだろう?彼女は手を窓から差し込む光に向かってもう一方の…